訓練山行報告                 2015年10月31日提出              

 山行期間:2015年10月11日(日)・12日(月)

参加者:CL H.NAKAMURA SL K.KUDOU SL Y.NAKAMURA  他8名  (計11名)

 

1日目 1011日(日)                                                            記録 M.MINATOYA

山  名甑山 981m ≪山域 丁山地≫                                      

コースタイム 

青森IC:50 ⇒ 岩手山SA7:15 ⇒ 秋田道8:22 ⇒ 錦秋湖8:40 ⇒ 道の駅清里10:00 ⇒

甑林道登山口10:3510:50 → 名勝沼分岐11:15 → 県境尾根 → 男甑山12:20 →

甑コル(昼食)13:00 → 名勝沼13:50 → 甑林道登山口14:20 ⇒新五郎湯15:30(宿泊)

山行記録

 11日、青森ICに集合し、車3台で秋田方面に出発。東北自動車道を走らせ、岩手山SAで朝食・トイレの休憩をとりました。周りの山々は紅・黄に染まり始め,とてもきれいでした。錦秋湖の辺りから雨が降り始め、大降りになってきました。けれど、湯沢方面に入った頃から雨もやみ、ちょっと明るくなってほっと一息でした。甑林道に入ると道が狭く、岩崩れがあったりして運転の人たちは大変気を使った事と思います。

 登山口から歩き始め、林道跡の道に入って平坦な道に進み、途中、枝沢と本沢を渡って登っていくと、名勝沼との分岐に出ました。右に曲がって進むと道の両側には「イワウチワ」「イワカガミ」の株が密集していて、花が咲いている頃はさぞ見事だろうと思います。途中「山ぶどう」の収穫もありました。チャンスがあれば、花が咲いている頃にもう一度来てみたいと思います。

 県境峠を通って県境尾根を登り、二等三角点のある男甑山の頂に着きました。山頂からは周りの山々にうっすら雲が湧き上り、とても幻想的で水墨画でも見ているかのようで、本当に感動しました。又、山頂からは勇ましく突き出た烏帽子岩が見えて、あたりの紅葉と共に最高です。山頂は狭いけれど東南に開けていて、眺めがとても良い所でした。頂上には仙台からのグループがおりました。

 予定では来た道を往復することになっていましたが、紅葉がきれいだし時間に余裕があるので、周回コースに変更しました。山頂からは胸突き八丁の急坂を必死で甑コルまで下りました。ここで昼食をとり、名勝沼まで下りました。この沼は流れ込む川はなく、すべて湧水と言われているそうです。沼の辺りの木々が紅葉してきれいでした。又、巨木の「カツラ」の幹根が有りました。

 名勝沼分岐まで下った頃より雨がポツポツと降り始め、だんだん本降りになって雨具もつけずに必死で下りました。ようやく駐車場に到着し、濡れた衣服を着替えて今夜の宿になる「新五郎湯」に向かいました。

 宿は食事がとても美味しく、良い所でした。明日の晴天を祈ってとても盛り上がり、一日が終わりました。

 

≪甑山の名前の由来≫

 甑山は鳥海山の東方に位置する一対の石峰で、南峰を「男甑」北峰を「女甑」と呼んでいます。

 「甑」とは米を蒸すための木桶のことで、その蒸し器に似ていることから名が付いたとされている。

2日目 1012日(月)             記録 T.TUSHIMA

前日降り始めた雨は、一晩中降り続いた。ちょっと小降りになったかと思うと又強くなり、又弱まるといった繰り返しで、気を揉ませる。沢沿いを歩く神室山の登山道はどんな状況だろう?心配だ。皆、気持ちは同じようで、朝4時頃からあちらの部屋からもこちらの部屋からも、ごそごそ物音がし始めた。

5時半頃になって、リーダーの部屋に召集がかかる。今日の行動をどうするか、全員で協議した。スマホで調べた最新の雲画像によると、神室山付近には9時頃からもっと強い雨雲がかかり、1日中降り続く模様とのこと。晴れる見込みのない冷たい雨の中を7〜8時間歩き、その後、又、青森まで長距離を運転するドライバーのこと等も考えて、今回は神室山登山を断念することにした。それでは、今日一日をどう過ごすか?話し合いの結果、晴れ間が見込める太平洋側に移動し、平泉を観光して帰ることになった。

時半過ぎ、宿の「新五郎湯」を出発、国道108号線を東に向かう。走り始めて10分もすると朝靄の中に青空が覗きだし、1つトンネルを抜けるたびに青空の面積は広くなった。730分、鳴子峡に着く。この頃にはぴかぴかの太陽が顔を出していた。車を降りてみると、まだ観光客はいないけれど、店を出す人は準備で忙しそう。お昼頃にはお客さんで賑わうのかな。紅葉見物にはまだ色づきが少し足りないけれど、もう1週間もすれば、白っぽい岩に紅や黄色それに松の緑のコントラストがきれいだろう。断崖絶壁のずうっと下に遊歩道が見えた。ちょっと歩いてみようということになり、遊歩道入口まで行ってみると、なんと開門は9時で中に入れなかった。それに、案内板を見ると、向かい側の大深沢遊歩道は○印が多いけれど、鳴子峡遊歩道の方は×印が沢山付いていて、ほとんど通行止めになっている。これから鳴子峡を訪ねる方は、情報をチェックして行った方がいいですね。

 次に立ち寄ったのは岩出山にある「あ・ら・伊達な道の駅」。岩出山は伊達政宗が1600年に仙台城を築城するまで本拠地にしていた所だそうで、道の駅には、鎧兜が飾ってあった。「小さい方は伊達政宗が幼少の時に着けたもの、大きい方は家臣のものです。」とブレザー姿がびしっと決まった係の方が説明してくれた。この道の駅は、全国でも有数の売上高を誇っているのだそうだ。頑張ってますね。初めて知りました。

 岩手県に入ると気温もぐっと上がってきて、暑いくらいだ(新五郎湯では、暖房をつけていたのに)。940分、世界遺産≪毛越寺≫着。まずは芭蕉の「夏草や 兵どもが 夢の跡」の句碑の前を通って本堂にお参りし、三々五々〈大泉が池〉の周りを散策する。パンフレットによると、その池は毛越寺の中心だった〈金堂円隆寺〉の前庭に造られた浄土庭園の中心で、海を表現しているのだそうだ。往時には周りに中尊寺をしのぐ伽藍が並んでいたようだが、今は「…跡」の看板ばかり。栄枯盛衰を経てのこの穏やかな風景。1000年後の人はどんな景色をみるのだろう?

 次は≪中尊寺≫へ。近づくにつれて車の量が多くなり、駐車できるかはらはらしたが、どうにか駐車。表参道月見坂は、人がまばらだった毛越寺とは打って変わって、行き交う人でいっぱいだ。お守りを売る店をのぞいたり、途中のお堂に寄ったりしながら本堂まで行ってお参り。有料ゾーンの金色堂には誰も入らず、奥にある能舞台を見学。客席は木立に囲まれて神聖な雰囲気で、薪能など観てみたくなった。そのまた奥にある白山神社の脇には干支のお地蔵さんがあり、自分の干支を探して拝む人もいた。そうこうしている間にお昼になり、月見坂を下って昼食にした。

 文化を楽しみ、満腹になって一路青森へ向かう。高速を走行中、車窓から低い山にかかる、妙に平べったい虹が見えた。後日、テレビの気象コーナーで「虹は朝夕出ることが多いが、太陽が高い位置にある時は、低い所に平らな形に見える。」と解説しているのを聞いて納得。立ち寄った紫波SAでは、天城山帰りの花田さんにばったり会う。なんという偶然!北上するにつれて、木々の色が濃く深みを増して、真っ盛りの紅葉を楽しむ。けれど、次第に雲行きが怪しくなり、雨の中1603分、青森ICに到着した。

 天気の都合で、思いがけず十数年ぶりに、平泉見物ができて楽しかった。けれど、神室山に登れなかったのはやはり残念。できれば来年、もう一度チャレンジしたい。