南八甲田(調査山行)     2019年9月8日

















訓練山行報告                                        2019913日提出 (提出者 M.MATSUSHITA)

山  名:赤倉岳、乗鞍岳

山行目的:南八甲田の自然を楽しむ+登山道調査

ル ー ト:猿倉温泉→赤倉岳→乗鞍岳→猿倉温泉

山行期間2019年9月8日(日)

参 加 者CL: S.NARITA SL: K.KUDO・N.YOKOTA 写真: T.KIMURA          (17名)

コースタイム:猿倉温泉710→旧道から赤倉コースへの分岐755→赤倉岳登山口820

        赤倉岳945(休憩)1000→乗鞍岳1135(昼食休憩)1215→(一の沢)→松次郎清水1345

       (旧道)→矢櫃橋1445→赤倉コースとの分岐1535→猿倉温泉1610(解散式1630

 

山行記録

「行きはよいよい 帰りはこわい」とは童謡の一節。これを地でいくような山行といえば、言い過ぎだろうか。体感気温が30度超の猛暑と背丈を超すササの藪こぎが待っていた。

「かっぱの湯」上の駐車場からクルマ4台に分乗し午前615分出発。同55分に猿倉温泉着。装備を整え、ガスの消えた空を見上げると、気温が上がりだし、秋というより夏真っ盛りの様相。S.NARITAリーダーの「これから目指すルートは登山自粛の山域。あくまで南八甲田の現況を確認する調査山行。ほとんどが険しい杣(そま)道」との話に気を引き締め、いざ出発。「立入規制」のロープと看板を見やり、沢を下ると硫黄の匂いと温い沢水。目指す赤倉の姿が見え出し、萢にはサワギキョウやトリカブト、ウメバチソウの花。

S.NARITAリーダーたちが赤沼と赤倉の山道の分岐を確認し、ロスなく上り詰める。七、八合目付近で眺望が開け、南方かなたに岩手の山並みも。さらにひと踏ん張りすると赤倉のピークに着いたものの、辺りは狭く、交代で眼下の赤沼、蔦沼を見下ろしホッと一息。木に括り付けた「赤倉岳1298m」の手書きの板にはクマの爪あと。

感慨に浸る間もなく下山し、乗鞍登山口へ。午前10時を過ぎたばかりなのに一同、全身汗びっしょり。乗鞍の登山口から急登が始まった。暑さと脱水、疲れが重なり、「足がつった」と訴えるメンバーが出てきた。登山道がササ藪で覆われ、見通しがきかないことも疲労感を増す。それでも11時半過ぎ、乗鞍山頂1450mに鎮座する大岩を手で確かめ無事登頂。十和田山など外輪山に囲まれた十和田湖を遠望し、最高の昼食タイムを満喫した。

登山自粛の山域とあって道案内らしき標示はほとんどないが、赤布(テープ)が要所要所に下がり、刈り払いも進んでおり、そこそこの体力、気力があれば、文句の言えない登山道と見たが、それもここまで。「帰りはこわい」はここから。一の沢の下りは視界のきかないササ藪のトンネルと足場の確保が難しい岩がゴロゴロ転がる沢道。苔むす岩に足を取られ転ぶ人も。赤布と先導の声を頼りに下ったが、単独行はお勧めできない。晴天で沢道が涸れていたことがせめてもの救いか。

松次郎清水でたっぷりのどを潤し、矢櫃萢で最盛期は過ぎたもののキンコウカの群生に見とれて疲れを癒し、帰途についた。

「日本一の悪路」「南八甲田登山道」の見出しが躍る記事(東奥日報9月3日付朝刊)を読み、準備会でも「藪こぎ覚悟、どこまで行けるか」と十分に驚かされてはいた。「不法」と評される刈り払いと赤布の山道確保がなければ、今回の山行も実現できたかどうか。昭和50年代に猿倉岳、駒ケ峰、乗鞍岳、黄瀬沼、櫛ケ峰を自在に歩き、御鼻部山までトレッキングしたことが夢のように思えた。(以上)