県連雪崩講習会 2020年3月14日〜15日
県連主催:冬季遭難対策講習会(1日目)報告
2020年4月4日提出(記録・写真:T.FUKUI)
場 所 青森市田代平『小田嶋山荘』
期 日 2020年3月14日〜15日 天 候:晴
講 師 清野嘉樹県連理事長
参 加 者 14日【座学】弘前労山1名 八戸労山3名 青森労山5名 合計9名
記 録 3月14日13時30分頃に山荘持主の小田嶋(県連監事)さんと合流し、県道から山荘までの道路付け。
ワカンの後スコップでアップダウンを削り取り、水平な道を150m位造り、玄関先の階段の雪を取り除いて玄関ドアを開けることができた。
【座学講習会内容】
@ ビーコンについて、同じ機種でもそれぞれに『クセ』があり、その『クセ』を知り尽くす事が大事である。
A ビーコンの蓄電池残留80%以下になった時には電池を交換すること。
B ビーコンとスマートフォン(携帯電話等)を20cm以上離して身に着けること。
◎ 雪崩捜索救助活動の流れは「初動」「捜索」「救助」「総括」の4段階で整理
1)初 動
当該パーティーの場合 別パーティーの現場の場合
*残された人は安全な場所にいるか? *何人が関係しているのか?
*流された人数は? *雪崩ビーコンを装着しているのか?
*リーダーは流されていないか? *最終目撃地点は?
*最終目撃地点は? *雪崩が発生したのはいつか?
2)捜 索 一般的な現場では3つの段階で捜索を進める
*残留物とシグナルサーチ→→残留物を目視で捜索する。
*シグナルサーチ→→要救助の発する「有効なシグナル」を捉えるまでの段階である。
*コースサーチ→→捜索範囲を概ね3m以内まで絞り込む段階である。
*ファインサーチとポインティング→→雪崩ビーコンによって埋没者の位置を最終的に絞り込む段階。
*ピンポインテイング→→プローブを適切に使用し、埋没者の位置を特定する段階である。
3)救 助 掘り出し・応急手当・搬出を行うことになる。
4)総 括 トリアージには捜索トリアージ・掘り出しトリアージ・医療トリアージ・搬出トリアージの4種類です。
◎電波の特性(磁力線捜索法)を実技講習で実施する。
問題のある古い雪崩ビーコンを装着していると、最新型の雪崩ビーコンで捜索する要員は、その埋没者を探知できずに通 過してしまい、奥の埋没者の方向に進む。
ま と め これからの春先は全層雪崩が発生する時期であり、自分のビーコンに目を向け共にビーコンの性格を知り尽くし、雪崩に 合うことのないように願い、山スキーを大いに楽しみたいと思う。
冬季遭難対策講習会(2日目)報告
(記録・写真 Y.NARA)
3月15日(日) 9:00〜15:00 八甲田田代小田嶋山荘付近雪原にて
参加者: 青森労山7名、弘前労山9名、八戸労山3名、FHC1名 合計20名
冬山登山・山スキー時、雪崩に巻き込まれ、仲間が遭難したらどう対処すべきか、をみっちり学んだ。
まずは捜索の三種の神器、ビーコン・ゾンデ棒(プロープ)・スコップについて
ビーコン:電波の送受信で埋もれた場所を特定する。
ゾンデ棒:ビーコンであたりつけた場所に突き刺し、特定。
スコップ:遭難者の掘り出しに使用(折り畳み式)
捜索の手順
@
出発時、全員のビーコンを送信モードにする。
A
雪崩発生、流された方角を確認、そして自分たちの身の安全を確認。
B
直ちに受信モードに切り換え、捜索開始。
C
ゾンデ棒、スコップをもってビーコンであたりを付けながら、流された方向へすばやく向かう。
D
5m以内に近づいたら、そこからはゆっくりと確実に探して行く。(腰を落とし、雪面を滑るようにビーコンを動かす。立ち上がり時にぶれるので、膝はつかないこと。ビーコンの矢印は常に体の真ん中でとらえる。距離数が増えたら行きすぎなので戻る。)
E
場所のあたりを付けたらゾンデ棒を突き刺し、箇所を特定。
F
スコップで掘り出す。(ここまで15分以内)
埋もれた人を掘り起こす際の注意事項
頸部の扱いには、動かさないように、特に注意が必要。
頭部頸部の下に空のザックを逆さに入れ、腰ベルトで固定。さらにツエルトを体の下に敷きいれ、体全体を包み、保温。必要なら下に 雪を入れ、姿勢を安定させ、救助を待つ。
遭難者が複数の場合。C〜EFを繰り返す。