横岳中腹(EMC)     2022年6月12日(日)            E.ICHINOHE撮影
















EMC横岳中腹~タケノコを狙う~に参加して

Y.TAKAI記

人生初のタケノコ採り。朝は霧深かったが快晴で絶好の日和となった。道すがら、紫色の「シラネアオイ」、白く小さな花が可憐な「ツバメオモト」や「タムシバ」が目を愉しませてくれる。何より「コシアブラ」があちこちにあった!丸山林道で初めて知った山菜だ。最初はただの葉っぱにしかみえなかったが、コツを教えてもらい「眼」が養われ、そこらじゅうが宝の山に変身した。「さて次はタケノコ!」と下を向いて歩けど歩けど…全く見えてこない。「見えないと始まらない。見ようとしないと始まらない。」と天文学者ガリレオ・ガリレイが言ったとか。タケノコ採りも人生と同じようなものかもしれない…。

元気がなくなりかけていた時、とっておきの場所でタケノコタイム。待ってましたと皆が山道の上へ下へと消えていく。私も覚悟をきめ藪の中へ踏み入った。教わったように丈の高い笹の根元からニョキっと出ているのが見えてくる。初心者は取り残しを狙おうと、あえて深い藪へ突入。ガサガサ、バリバリと笹のジャングルを踏み分けるのもおもしろく、ひっくり返ったり、服をひっかけたりしながら夢中で収穫した。途中、危うく方向感覚を失いかけたが、幸い話し声のする方へ向かって皆に合流できてホッとした。だが、万が一遠くまでいき転びでもして動けなくなったら…とヒヤリとし、山ではいつでも笛や携帯を身につけようとの教訓になった。昼休憩では、遥かに岩木山を眺めながら新入会員の成果くらべ。それぞれ大健闘したようだった。

その後しばらく、焼きタケノコ、タケノコご飯、けんちん(豆腐との炒め煮)、コシアブラの天ぷらなどで山の春を堪能した。自ら採った山菜をいただくことは何ともいえない贅沢だった。 

「人生初」ということがめっきり少なくなった昨今、童心にかえって楽しんだ一日だった。仕事や休暇などとかく遠くや海外へ関心が向いていたが、巡り巡って地元に戻ると楽しく豊かな山の世界があった。改めて、故郷の豊かな自然の恵み、そして労山と皆さんとの出会いに感謝。