訓練 鳳凰三山縦走山行報告

                           2012923日提出  (提出者 M.OOKAWA)

山 名 鳳凰三山 (薬師岳・観音岳・地蔵岳)

地 域 南アルプス

ルート 夜叉神峠→薬師岳→観音岳→地蔵岳→青木鉱泉

山行期間 2012915()2012917()

参加者  CL M.KIKUTHI 他10名 (計11名) 

日程及びコースタイム

9/15() 新青森6:10(東北新幹線)8:59大宮9:17(湘南新宿ライン)9:45新宿10:00(中央本線)11:28

甲府→バス(山梨中央交通)13:0014:15夜叉神峠 夜叉神の森泊   

9/16()  夜叉神峠登山口5:30→夜叉神峠6:30→杖立峠8:15→苺平9:5510:50南御室小屋11:4013:05

薬師岳小屋13:15→薬師岳13:3013:40薬師岳小屋泊

9/17() 薬師岳小屋5:30→薬師岳5:45→観音岳6:17→地蔵岳8:209:00鳳凰小屋9:15→五色滝9:50→南

精進の滝→13:30青木鉱泉14:20(タクシー)15:00韮崎駅16:23(中央本線)18:06新宿18:23(

南新宿ライン)18:51大宮19:22(東北新幹線)22:24新青森

山行記録

9/15()

午後2時過ぎに夜叉神峠に到着。バス停のすぐ隣が今夜の宿、夜叉神の森だ。女性は2名、2名、4名に別れて3部屋を、男性は3名で1部屋を割り当てられた。お天気も良く夕食まで時間があるので、全員で宿の近くにある林道日本一の夜叉神トンネルと山の新鮮な空気を吸いに散歩に出かけた。途中、大きなオレンジ色の花びらを付けたフシグロセンノウやホウオウシャジンが道端に咲いていた。ヘッドランプをつけトンネル探検、中はヒンヤリして涼しい。時々、頭に滴がポトリ。朝からずっーと乗り物にのっていたので、明日からの山登りに向けて良い運動になった。

夕食前にお風呂に入り、荷物の整理をした。食堂に向かうと、私たちの他に宿泊客はなく貸し切り状態だった。夕食は牛丼にお吸い物、マカロニサラダ、トマト、キュウリ等シンプルなメニューだった。

その後、一部屋にお邪魔して腹ごなしのおしゃべり。最初は股関節のストレッチやヨガ等の話をしていだが、いつの間にか皆、靴下を脱ぎ誰の指が長いだの短いだの、小指の形が変だのと足の品評会が始まった。自分と他人の足をまじまじと見比べたのは後にも先にも今夜がはじめてだ。とにかく不恰好でも何でも、この足が明日からの登山で活躍してくれることを願って午後9時眠りに就いた。

9/16()

天候は晴れ。気温16℃。夜叉神峠登山口を530スタート。爽やかな朝の空気を吸いながらカラマツ林の中を登り始める。オレンジ色の朝の光が木々の間から差し込み神々しい感じがする。

五本松まで登ると夜叉人峠まであと30分の案内板がある。予定通り夜叉人峠に到着、小屋の前で白峰三山(北岳・間の岳・農鳥岳)の雄姿を堪能し、15分の休憩後出発。峠から笹道を進んでいったん下りになるが、すぐにカラマツ林の急登になる。コメツガの樹林帯に入ると、杖立峠までは単調な登りだ。時折涼しい風が頬をなで気持ちが良い。視界がひらけ右手に富士山が姿を現した。やはり日本一の特別な山、皆で歓声をあげる。

こころなしか足取りも軽くなってきた。ゆるく長い登りが続き苺平に到着。ここから下りになり南御室小屋に到着。小屋の前には、太陽の光を浴びて気持ちよさそうな布団や毛布が干されていて、その脇には見事なヤナギランが咲いていた。広場がありテントが8張と立派なテーブルとベンチがいくつかあったが、日差しを避けて陰の方でゆっくりと昼食をとり、水も補給した。

小屋の左横から急斜面を登り進む。しばらくすると左手にとてつもなく大きな石が現れた。その割れ目からダケカンバが空に向かって伸びていた。生命力の強さに感動。われわれも頑張ろう!と次にカエルの形をしたガマの石が現れた。苔むした倒木も多く見られる。

砂払岳に着くと薬師岳が目の前に見えるが、遠くの山々は雲で覆われ何も見えない。風も強くなってきた。少し下ると小屋の屋根が見え1306ダケカンバに囲まれた薬師岳小屋に到着。小屋の前にはタカネナナカマドの木もあり、まるでさくらんぼのような大きな実が赤く色づいていた。山の上はすでに秋の気配がする。

受付をしてザックを小屋に置いてすぐ薬師岳に向かう事にした。10分ほどで山頂(2780)に着いたが辺りはガスに覆われ期待していた景色は残念ながら見ることはできなかった。朝見た、富士山や白根三山もすっかり姿を消してまった。記念撮影をし早々に小屋に戻る。

今晩の寝床を確認したら毛布を縦半分にしたサイズが一人分のスペースだ。そこで誰が男性の隣に寝るか女性群がじゃんけんをすることになり、結局Hさんに決まった。

夕食までの時間、ダウンを着て外のベンチでおやつタイム。おしゃべりも弾んだところを見ると誰も体調を崩してはいない元気そのもの。ただ残念だったのは、相変わらずのガスで夕日を見ることが叶わなかったこと。1730おでんとごはん、少々のおしんこ、わずかなひじきの煮物、小さなゼリー1個で質素な夕食を済ませた。

じゃんけんで決めた順番どおり布団に横になり、ラジオから流れる明日の天気予報に耳を傾けた。あまり期待できそうにない。午後8時消灯。

9/17()

予報どおり外は雨模様だが寒くはない。カッパを着て歩き出す。昨日登った薬師岳を通過すると、岩陰には風をよけるようにタカネビランジが何株か咲いていた。ウラシマツツジも紅葉していた。少し風はあるが飛ばされる程ではない。白砂の稜線をたどり鳳凰三山の最高峰観音岳(2840.4)に立つ。雨も小降りになり一瞬だが日も差す。山頂からは急な斜面が続くので慎重に下る。

赤抜沢ノ頭まで登り返すと、地蔵岳のオベリスクが天に向かって聳えている。今年7月に県連の記念登山で甲斐駒ケ岳から見たオベリスクを今、目の前にしているのだと思うと登ってみたかったが、風が吹いて危険という事であきらめた。後ろ髪を引かれる思いだったが先に歩を進め、右下に下って、子授け地蔵が立ち並ぶ賽ノ河原に降り立った。

地蔵岳(2764)をあとにして急斜面をズルズルと下り、樹林帯を行くと鳳凰小屋に着いた。ここでお水を頂き、トイレ(\200)をお借りした。御座石温泉と青木鉱泉との分岐を右に進む。しばらくして左手の樹林帯を登るが、その後はドンドン下るのみ。

やがて涼しげな水の音が聞こえて五色滝に着いた。地図には滝壺まで下りられると書いてあるが、近づいて少し拝見しただけ。ここでカッパを脱ぎ衣服調整。急な坂を下り続けたのでそろそろ足にも疲れが出始める頃。平らな所に出ると一瞬ほっとするが、落ちたら谷底、気持ちを引き締め進む。

白糸の滝を見て沢をいくつか渡り終えた広い場所で昼食にする。温泉と列車の時間を考えるとそうそうゆっくりもしていられないので先を急ぐ。ゆるい下りになり栗の木が目に入るようになると、里も近いよ!と後方で声がした。長い下りだった。道端の草むらでは、茶色のでっかいカエル(ウシガエル?)がわれわれをお出迎え。とうとう青木鉱泉の建物が見えてきた。温泉で汗を流した後、タクシーで韮崎駅に向かう。そのタクシーの中から空に架かる七色の虹を見た。久しぶりに大きなアーチの虹を見て山旅の終わりにしあわせな気分に浸った。