個人山行報告書                 

山 名  南アルプス 聖岳(3013m) 光岳(2591m)

期 間  2014年8月22日()〜25日()

参加者  CL Y.TANAKA  他3名  ( 女性4名 )

                                                                                               

1日目 8月22日(金) 便が島登山口(970m) → 聖平小屋(2300m)     ( 提出者 H.HARADA )

                                                                                                    

コースタイム 民宿ひなた4:28→ 便が島登山口5:13=5:35→ 西沢渡6:25=6:38→ 大木の広場8:58→ (食事休憩9:46=10:10)→ 苔平10:34→薊畑分岐12:22→ 聖平小屋12:58

山行記録

 早朝、民宿出発時は星空に細い三日月が輝いていたので好天を信じてスタートできたのはなにより嬉しかった。

*便が島登山口→西沢渡

 便が島登山口には広い駐車場に立派なキャンプ設備完備。(駐車場手前の聖光小屋は休業中)

歩き始めて直ぐ、多数のフシグロセンノウの花にむかえられて楽しいスタート。西沢渡まではほぼ平坦な林道歩きだが反対側は深い深い谷。山側から崩落した大小の石がごろごろある箇所・斜面から崩れて道を埋め尽くして堆積した小石の上についた踏み跡を歩く箇所などかなりあり、緊張しながらの歩行となった。強い雨が降った時などはかなり怖いものがありそうだ。途中、クサギ・上州おにあざみ・白くて真ん丸なかわいいつぼみの玉アジサイの花にも出会えて会話がはずむ。林道終点で沢に出合う(西沢渡)

*西沢渡→薊畑分岐

 沢は大きなかご(150kまで)に乗り、自らロープを引きながら渡る、動力は腕の力。先ずは2人がかごに乗り込み、残った2人と一緒に息を合わせてロープを引きながら対岸に降り、次にまた4人でかごを元に押し戻してから次の二人が対岸に・・・結構な労力を使う。単独登山者はたいへん!この日の水量では渡渉は無理そうだった。

 この後はいよいよ本格的な登り坂になり、廃屋の造林小屋を過ぎた辺りからは樹林の急坂道の登りが延々と続くので足はゆっくりゆっくり一歩づつ。1400m・1600mと200m毎の目安の標識が待ち遠い道のりだった。

 苔平手前で苔生した倒木に腰掛けて長めの食事休憩中にご夫婦が先行して行った。(後に聖平小屋で奥様から忠告。私たちが休憩していた所は「ヒル」の生息場所で、上からは落ちてくるし下に置いたザックにも這い上ってくるのだという。この日は幸いに好天で大丈夫だったが・・・冷や汗ものでした)

 この日このコースで出合ったのは単独の年配男性とご夫婦のみ、ひっそり静かなコースです。

 ようやくたどり着いた稜線薊畑は聖岳と聖平小屋の分岐、お花畑の中。輝いている聖岳の頂をながめながらしばし休憩。

*薊畑分岐→聖平小屋

 薊畑からお花畑の中の道を下りた所は翌日宿泊する茶臼小屋への分岐となる。木道を左に進んだ先にこの日宿泊の聖平小屋があった。すでに大勢の登山者で賑わっていた。サービスの名物フルーツポンチを紙コップ山盛りご馳走になり一息つく。(聖平小屋は冷たく美味しい水が豊富。トイレは外に出て100m先)

 夕食後一時、激しい雷雨があり心配したが間もなく小降りになりひとまずほっとしてシュラフに入った。

2日目 723日(土)  天気雨後曇り                                        ( 提出者 S.TANAKA )


ルート:聖平小屋発440 → 薊畑分岐528 → 小聖岳(2662m)6:00 → 聖岳山頂(3012m)724 → 聖平小屋着1030 → 南岳(2702m)1233 → 上河内肩1324→奇岩1345→茶臼小屋1510


山行記録

夜は風。激しい雷雨で連泊もありと話し合う。440風と霧雨の中ヘッドランプを着け木道を過ぎ、薊畑分岐より聖岳に向かう。ダケカンバ帯の中に枯れ木が目立ち、森林限界を超える。視界が開けるけどガスって稜線が見えない。しばらくアップダウンのやせ尾根歩きが続き、ガレ場、ザレ場の登り。 砂礫の大斜面をジグザグに登り切り山頂。展望なく往路を聖平まで慎重に下る。ガスが上がり小聖岳から振り返ると、荒々しい岩壁の姿の聖岳が見えた。すっぽり濡れ着干しで小屋でカップラーメンを食べ、聖平から樹林帯に入る。長い急登が続く。ダケカンバの林を過ぎ稜線に出る。ガレ場の縁を登りハイマツ帯を抜け南岳。稜線上は切れ落ちて所があり濃霧時は怖い。どこまでも続く縦走路が見渡せる。南岳を下り上河内岳の分岐に出る。頂上はパス。稜線を南に歩く。竹内門の奇岩が見られる。湿地帯の花畑は秋の気配を感じる。ザレを通過ぎ稜線斜面をジクザクに登り、ヤレヤレ峠方面からの合流点。ここから10分位下り茶臼小屋に着く。

〔今回の山行で気が付いた事〕

替えのズボンを向かえのタクシーに間違って預けた。

蛭の生息地なので用心のため駆除品携帯。

シュラフのシーツは心地良かった。

 3日目 824日(日)                                                    ( 提出者 S.OOSATO )

コースタイム: 茶臼小屋5:45→茶臼岳(26046:25→易老岳(23548:47→静高平11:20→光小屋(11:5512:35)→光岳12:51→光石13:10→光小屋13:50

山行記録

濃霧の中稜線を目指し、足場の悪い急坂を慎重に登る。 6:02稜線に出ると風もあり、飛ばされないようにハイマツとガンコウランの道を緩やかに登りながら進む。茶臼岳到着。後から登ってきた青年に4入そろってシャッターを押してもらう。だんだんと霧もうすれ視界がひらけてきた。仁田池を左に見る。ダケカンバの林の中、本道歩きで進むと希望峰到着。この場所から朝日が眺められるので希望峰なのだとか?アップダウンを繰り返しながら進むと易老岳到着。頂上はオオシラビソの木々に囲まれ展望はない。帰りはこの分岐を右に易老渡へ下るのだ。三古平通過。ひらけた場所にて9:40早めの昼食。重いリュックを背負った大学の登山グループ10名と会う。鳳凰三山から15日かけてここまで縦走して来たとのこと。すごい。10:00出発。所々コハイケイソウの群落が見られるが、今年は花が咲いた形跡がない。枯れ沢の急坂を登り切り、少し進むとセンジュケ原に出る。本道歩きで静高平に着く。光小屋までもうすぐ。ここで冷たい水でのどをうるおし自炊用の水をペットボトルとテルモスに汲む。光小屋にザックを置き空身で光岳に向かって出発。光岳頂上12:51。バンザイ。二座無事登頂。視界のない山頂でかわるがわる記念写真を撮り光石へ向かう。思ったより急降下だ。光石からの素晴らしい景色に満足し光小屋へ戻る。小屋の前で1本の缶ビールを4入で分けカンパイ。食後部屋の中から聖岳、富士山がかすんで見えた。又感激。後一日頑張るゾー。


この山行で又いろいろと学びました

 @必要な物はすぐ取り出せる場所に入れておく。

 A新しい道具は何度か使ってみてから持っていこう。

※この山行を通して三人の先パイ達に的確な指示、アドバイスをいただき、私にもこの奥深い南アルプス百名山二座を登頂できました。感謝します。

〔聖岳、光岳周辺で咲いていた花〕

ハクサンフウロウ、ミネウスユキソウ、ミヤマダイコンソウ、トウヤクリンドウ、イワツメクサ、タカネツメクサ、ミヤマオトコヨモギ、チシマギキョウ、イブキジャコウソウ、イワオウギ、イブキトラノオ、タカネナデシコ、ヒメコゴメグサ、タカネマツムシソウ、タカネコウリンカ、マルバダケブキ、イワインチン、etc

 

4日目 825日(月)                       ( 提出者  Y.TANAKA )

コースタイム:光岳小屋出発5:10 → 7:22易老岳 → 9:40面平 → 10:51       易老渡→(昼食休憩20分) → 13:00北又渡 → (タクシー) → 14:00       平岡駅15:46 → (電車) → 18:24豊橋駅

山行記録

前夜、今日の行程について話し合う。山小屋情報、タクシー会社への確認により林道の崩壊で通行止めとの事、下山口から北叉渡までおよそ1時間半歩かなければならないことが判明。入山時に覚悟を決めて入ったこととはいえ、疲れた体にはきつい。安全に帰ることを優先にして、予備日を使って豊橋に一泊して帰ることにする。

朝から雨、この4日間の中で一番強い降りだがさほど心配するほどでもない。市内に一泊することにしたので気分的にも余裕ができ、足元が明るくなってから出発することとした。下山は昨日来た易老岳まで引き返し、そこから下山口の易老渡まで標高差1500mを一気に下らないといけない。

ここで怪我をして皆に迷惑をかけてはいけないと慎重に慎重に下る。雨で木の根っこが滑る。急斜面で足の支えがきかなくなる。時々集中力がなくなってよろける。お互いに声を掛け合って降りる。出発して5時間40分で下山口の易老渡についた。標準タイムで着いたのには皆びっくりした。それからの林道歩きの1時間40分はうんざりしたが、それぞれ達成感に浸りながらのんびりと歩いてきた。

4日間先頭を歩いてくれたSETUKOさんお疲れ様でした。そして感謝です!