訓練山行   鳥海山     2019.7.15
















訓練山行報告                          2019年7月22日 (提出者 K.SATO)

山  名 : 鳥 海 山

ル ー ト   祓川ヒュッテ(矢島口)〜七高山〜新山〜御浜小屋〜鉾立(象潟口)

山行期間  2019年7月14日(日)〜15日(月)

参 加 者  CL: T.FUKUI SL: S.NARITA SL: M.FUKAZAWA SL: K.KUDO SL: Y.HANADA  写真: T.KIMURA E.ITHINOHE  23名

コースタイム

7/14 県病前→青森IC6:50→10:50象潟「ねむの丘」11:30→12:00中島台レクリエーションの森13:45→祓川ヒュッテ15:00

7/15 祓川ヒュッテ4:00→鳥海山→16:25鉾立16:50→17:30象潟「ねむの丘」17:50→  青森IC21:30→県病前

登山  祓川4:00→賽の河原手前4:48→賽の河原上部5:01→御田5:20→5:40康ケルン5:45→

氷の薬師6:59→舎利坂入口8:06→8:49七高山9:10→外輪山分岐9:20→

9:50御室・大物忌神社10:10→新山10:34〜10:45→11:02〜11:15御室11:30→

外輪山、千蛇谷分岐13:24→七五三掛13:45→八丁坂13:58→御田ケ原分岐14:02→

御田ケ原14:21→14:42御浜小屋14:55→賽の河原15:20→鉾立16:25

 

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 青森ICを20分遅れでバスは出発。途中2か所でトイレタイムをとり、象潟の道の駅「ねむの丘」でラーメンや丼物などで昼食。中島台レクリエーションの森ではブナの大木「あがりこ大王」を目指して木道をモクモクと歩く。風もなく気温が高いせいか、汗ばむほどである。45分ほど歩いて大王に到着すると、大王はさすがに大木でその周りにはロープが張られ、近づけない。梵珠山の方が日本一だから大きいという自慢気の声、日本一なら確かに大きいはず。その前で集合写真を撮る。時間がもう少しありそうなので、獅子ケ鼻湿原を1周するか、出つぼだけにするのかを議論した結果、時間的に限界があるので出つぼに行くことにした。到着するとここも柵を張られ、近づけないが、湧き水は怒涛の如く湧き出ていた。

 バスに戻り、矢島口を目指す。つづら折りの狭い道路で対向車が来ると、必ず止まり、バスを道路端に寄せて、その横をぎりぎりに車がすれ違う。また、対向車が来てバスを端に寄せると、対向車が前進した途端に左側に寄せすぎて側溝に前輪・後輪ともに落としてしまった。バスから男性全員が下りて、車の前を持ち上げ道路に上げようとするが重くてビクともしない。そこで、さすが男性群、山から倒木を持ってきて、脱輪した前輪の前に数本置き、車を押して前進させるとなんとすんなり道路に戻すことが出来た。バスに戻ると女性群から拍手喝采だ。

 秡川に到着するとバスからザックや食材等を降ろし、ヒュッテに運んだ。

 やがて、夕食。豚汁と聞いていたが、かなりのタケノコが入っており、タケノコ入りの豪華な豚汁だ。賑やかな宴会が始まり、明日に備え、20時頃に就寝した。おいしい夕食を作っていただいた食担にはただ感謝です。


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 3時に起床、朝食後、ヘッドランプをつけて4時にヒュッテを出発。天候は問題なさそうだ。登りのリーダーはFUKAZAWA SL。「今日は、10時間以上の長丁場だから頑張ろう」とあいさつ。それは大変と気合をかける。竜ケ原湿原を通り、登り始めると、直ちに第1の雪渓、アイゼンを装着して進む。少し進むと登山道に戻ったが、アイゼンを装着したまま登っても、なかなか雪渓が出てこない。やがて雪渓に入り、終わったらアイゼンを外す。1時間ほどで賽の河原を過ぎ、御田を過ぎるとまた、雪渓、終わったところでFUKAZAWA SLからアイゼンを外してその都度ザックに入れると時間がかかるので、ザックの外につるすよう指示があった。1時間40分で康ケルン(1571m)に到着して少し休憩。次は右下から左上に伸びる急な大雪渓だ。歩いても歩いても雪の上で、息があがって苦しくなってくる。出発してから3時間で氷の薬師(1769m)を過ぎた。さらに登り続けると急な舎利坂になった。ここは小石が混じってザラザラしており、登ってもすべり落ちそうな難所である。山頂まで400m地点、「もう少し」という声が数回聞こえたが、息苦しく非常に長く感じた。皆さんは苦しくないのか、まるで登山ロボットだ。立ち止まって周りをみると、様々な花が咲いており、その中にチョウカイアザミもあった。

 出発してから4時間50分で七高山(2229m)にたどり着いた。次々と山頂の立派な三角点にタッチして登頂を喜び、全員が揃った段階で記念写真を撮った。風が無く晴れ渡って景色も良く、我々を祝っているようだった。これまでの疲れが吹き飛んだ。

 ここからは、火口やその上にそびえたつドーム型の新山(2236m)が目の前に見える。七高山を出発し、外輪山分岐から火口に下る。急坂で、ロープにつかまりしながら慎重に下ると、可憐で白い花のチョウカイフスマが出迎えてくれた。今度は、御室・大物忌神社まで雪渓を斜め左上に登っていく。御室に到着するとザックを降ろしてトイレタイム。新山にはザックを置いたまま登ることになり、別な場所にザックを運んでそこから新山を目指す。新山はゴツゴツした大きな岩の集合体で、白いペンキの矢印をたどり、巨岩の隙間を通り、30分ほどで頂上に到着。頂上は狭く、次々と登頂を待っている人たちが多く、ゆっくり出来ないので、第1のグループで写真を撮り、次のグループに譲った。

 1130分。いよいよ鉾立まで下山開始。下りのリーダーはS.NARITA SL。千蛇谷では2か所雪渓を下っていく。雪渓をみると外輪山の崖から落ちた大きな岩があっちこっちに転がっており、落石が怖い。雪渓を過ぎると外輪山までジグザクした登山道を急登。丸太の階段はあるものの段差が大きく、一苦労する。外輪山まで登ると、この辺はガスがかかった状態で雨がぽつぽつとあたる。少し休憩後に出発。七五三掛を通り、咲く直前のチョウカイアザミをみながら進む。八丁坂や御田ケ原を過ぎ、御浜小屋に到着。トイレタイムを含む小休憩。真下には青くたたずむ鳥海湖やお花畑が見えた。

 かなり遅れているので、ここからはピッチを早めて、よく整備された石畳の道をひたすら下っていく。雪解け水の多い賽の河原を過ぎ、1625分に待ちに待った鉾立に到着。御浜小屋からかなり急いだと思ったが、これが標準コースタイムだった。秡川を出発してから実に12時間半を要したことになる。登山靴を履き替え、荷物をバスに運んで、鉾立を出発。「ねむの丘」で20分の休憩をとり、青森まで戻った。

 鳥海山は過去2年、悪天候により実現できなかったが、今回は天気に恵まれ正に3度目の正直だった。しかもバスを利用したため祓川から鉾立まで鳥海山を横断出来て、数多くの高山植物に出会い、大満足であった。さすがに鳥海山は大きく、雪渓・がれ場、岩登りまで、訓練にふさわしい内容であった。

 また、自分を含めて大きな反省点として、アイゼンの着脱にかなりの時間がかかった。上りで4回、下りで2回アイゼンをつけると着脱は12回で、15分とすると総時間は60分になる。実際はそれ以上だったのではないか。準備会で、アイゼンを持参するよう説明があったら、素早く着脱出来るよう事前に練習しておく必要があったと思う。訓練は山に行く前から始まっているのである。