創立50周年記念 「玉山」        2019年11月12日〜13日

















創立50周年記念・台湾最高峰・玉山山行報告     2019年12月 6日提出 

山 名   台湾最高峰・玉山

ルート   タタカ鞍部~排雲山荘~玉山(往復)

山行期間  2019年11月10日(日)~14日(木)

参加者  (CL)N.YOKOTA (SL)N.YOKOGAKI、S.NARITA、M.NARITA、Y.HANADA、M.TSUJIMURA、
         M.OKAWA、Y.TANAKA、(写真)T.FUKUI、S.HAMADA

山行記録

1日目 11月10日(日) 移動日           (記録 Y.TANAKA

( 日 程 )

新青森駅11:21〜12:18新函館北斗駅12:36〜12:51函館駅

函館駅前(バス)13:10〜13:30函館空港

函館空港16:50〜19:45台北(桃園)空港

台北空港(専用車)20:45〜21:35オレンジホテル

 

 いよいよ青森労山創立50周年記念行事としてくまれた、台湾最高峰玉山の出発となりました。

新青森駅に10時50分集合。函館空港合流のN.YOKOGAKIさんを除いて9名全員が時間どおりに集合。

新青森駅から新幹線で函館へ。立席券でゆうゆう全員同じ車両に座れた。

当初の予定は発着共青森空港を利用する予定であったが、山小屋の排雲山荘の宿泊許可が取れず、予定が二転三転し結果函館発となった。

函館駅からはバスで函館空港へ。空港内のレストランで昼食をすませる。

 昼食後フライトまで十分時間があるのでのんびりしていたが、早めに手続きを済ませようという事で国際線ロビーに行ったところ、台湾人(多分)でごった返していた。バス到着後国際線ロビーを見た時には、人っこ一人いない、窓口もシャッターが下りて大丈夫なのかなと不安になったが、様変わりの景色であった。

大きい段ボール箱を何個も抱え、日本からどんなお土産を買ったのか興味津々だったが小心者は聞くに聞けなかった。やはり海外観光客はドル箱だ。青森も頑張らなければ。

国際線ロビーでようやくN.YOKOGAKIさんと合流。空港には早くついていたようで、皆ほっとする。

今日は台北空港に着いた後は専用車でホテルに移動するだけなので、なんとなく皆ゆったりとした気分でいる。機内では夕食として機内食がでたが、これがまずくて食べられなかった!ワインで無理矢理飲み込んだ。台北市内の夜景に見とれていると間もなく桃園空港に着いた。入国審査は顔写真と指紋をとられただけですんなりパスしたのでほっとした。空港では現地日本語ガイドの王(おう)さんが出迎えてくれた。予定より40分早く着いたと王さんが言っていたが?日本との時差がマイナス1時間。すでに頭がクルクルして正確なメモができなかった。

青森の出発時の気温は13度、台北到着時の気温は23度で、夜だというのに少し動くと暑さを感じた。

本日の宿泊はオレンジホテル、ホテルまで専用車で移動。車中、王さんから滞在中の諸注意事項、飲料水、スリに気を付ける、交通ルール(車は右側)、バイク人口が多い事等々流暢な日本語で説明があった。

ホテル到着後男性陣はすぐコンビニに走りビールを調達したようだが、女性陣は各部屋で静かに。

ワンアン(おやすみなさい)

2日目 11月11日(月 観光・移動         (記録 Y.TANAKA

( 日 程 )

ホテル出発8:40〜9:00忠烈祠9:30〜9:50故宮博物館11:30〜(移動)〜12:10レストラン昼食13:00〜(阿里山移動)〜18:30ガオサンチンホテル18:40〜

18:50レストラン夕食20:00 

 ガオザ―!(おはよう)

雲一つない快晴の素晴らしい朝を迎えた。ホテルでの朝食は7時から、準備出来次第自由にということで、ビュッフェ方式でどれもおいしくいただいた。珍しい果物があったので後で確認したところヴァーバという

果物とか、甘くもない、酸っぱくもないスイカの白い部分の触感であった。

 今日は、午前中市内観光で忠烈祠と故宮博物館の見学、午後はひたすらバスに揺られて宿泊地の阿里山へ移動である。当初市内観光は登頂をめでたく果たしてからの予定であったが、山小屋の宿泊が取れずご褒美が先になってしまったのも致し方がない。

 最初に忠烈祠の見学。衛兵の交代式が素晴らしいらしく、交代式の時間に合わせてホテルを出発。忠烈祠はこれまでの戦争や革命で亡くなった方の御霊を祀っているところで、日本でいえば靖国神社のようなところとか。かつては日本の護国神社があった場所で、戦後は忠烈祠とあらためられたとの事であった。

陸・海・空から選りすぐりのエリート&イケメンが集められていた。1時間毎に交代式が行われるが、その一糸乱れぬ行進は見事であった。M.OKAWさんと私は衛兵の真後ろに陣とって、一定の距離を置いてではあるが一緒に行進できたのは忘れられない思い出になるだろう。その鍛えられた体幹、インナーマッスルにはほれぼれした。

 次に国立故宮博物院に移動。ここは世界四大博物館の一つに数えられているという。中国歴代王朝の皇帝が収集した宝物が収蔵されており、世界一の中国美術工芸コレクションとして有名。展示品は陶器から螺鈿、翡翠、彫刻、絵画、書道など収蔵品70万点弱のうち6千~8千点展示されているという。

私は翡翠で出来た白菜を映像で見たことがある程度の知識しかなかったが、これらの数多い展示品の中から日本語ガイドの王さんは効率よく案内をし、流暢な日本語で説明してくれたので、限られた時間の中でも素晴らしい工芸品を沢山見ることができ感動した。翡翠に彫られた白菜もさることながら、象牙に彫られた多層球の工芸品とか明治天皇が返納したという翡翠の屏風の彫り物には特に感動した。象牙の多層球は、球の中に更に球が彫られ、それが何層にもなっていて、一つ一つの球がクルクル回る。とても人間のなせる技とは思えない彫り物であった。

それにしても、ガイドの王さんの知識には感心した。日本人より日本の歴史に詳しくボーっと生きてきたことに反省である。

 見学後は40分程車で移動し昼食となった。お昼はこれぞ台湾料理というご馳走をいただいた。小籠包、ビーフン、スープ、チャーハン、豚の角煮等々日本語で説明できるのはこの程度で、このほかお腹いっぱいいただいた。

 この後はひたすらバスに揺られて阿里山へ移動。途中トイレ休憩を2回ほど取り阿里山に着いたのが18時半頃、あたりはすっかり暗くなり、月がこうこうときれいだった。阿里山気温は8度

ガオサンチンホテルにチェックインした後、近くの食堂で夕食。山の中に移動してきたことを実感。ビールは冷たくない(冷蔵庫がないという)食事もおいしくなかった。

いよいよ明日からの山登りに備えて、早めに就寝した。

   

3日目 1112日(火)  タタカ鞍部〜排雲山荘  (記録 M.NARITA

コースタイム

 6:00起床→6:50荷物を3つ分けフロントに出す→7:00朝食(食後阿里山駅見学)

 8:00阿里山→専用車→8;50上トンプー登山管理所9:00→シャトルバス(2班に分かれ))

 9:30タタカ鞍部→10:23モンロー亭10:3511:21(10分休憩)12:30西峰展望台(昼   

食)13:0014:00ターチャオピ手前休憩14:2715:46排雲山荘→玉山展望ポイントまで登る

16:11排雲山荘 (山荘泊)

 

山行記録

 6時モーニングコール前に目覚め、早めにロビーに降りる。荷物(ポーター預かり、車預かり、ザック)をそれぞれ分け、7時、外のレストランで朝食をとる。

おかゆ、万頭が主で、豆乳やコーヒーも甘いミルクコーヒーだ。それでも今日からは登山なので頑張って食べる。食後 阿里山駅まで、阿里山遊園地(公園)脇を行く。阿里山茶畑や阿里山森林鉄道で人気あり観光客も多いようです。

 8時専用バスで上トンプーへ向かう、車中で昼食が配られる、台湾のセブンイレブンのサンドイッチとおにぎり、味付け卵、バナナのコンビニ弁当です、日本のコンビニおにぎりのおいしさを期待したりして、「お昼が楽しみ〜!」

 850分、上トンプーへ着き、2名の山岳ガイドを紹介された。リンさん(男)オウさん(女)で、リンさんは日本語が上手い。登山管理支所でパスポートチェック、トイレタイムなど終えた後、タタカ鞍部登山口まで2班に分かれシャトルバスで送迎される。

 登山口タタカ鞍部(2610m)に着き、登山前にパルシオキシメーターで血中濃度を計り、健康チェックする。いよいよ登山開始、先頭はガイドのリンさん、続いてN.YOKOTA CL 最後はN.YOKOGAK SL、さらに一番後がガイドのオウさんその間にそれぞれ入り出発する。

 最初は緩やかな山腹を登って行く、温かい晩秋の山道には夏の名残の花々がドライフラワーになっていた。水分補給を小まめにとり、ゆっくり登って行く、30分程歩いて最初の小休憩になる。

寒さ対策を主に考えて厚着なので、「暑い!」思ったより暖かい気候でした。

 1023分、あずまやが見えてきてモンロー亭に到着した、ここにはトイレがあり10分程休憩した。

 1035分出発、登山道は良く整備されている、右側断崖の道をトラバースしながら進んで行く、

断崖箇所には木道や橋が架けられ安全に登る事ができた。

温かい山道を歩いていると、枯れかけたヒヨドリバナが目に着いた途端、蝶々が12匹目に入った、思わず「アサギマダラ!日本から飛んで来たんだね!」と、もっと探したかったが下山の時に期待して先を急いだ。途中10分休憩とり、昼食まであと一頑張り登った。

 1230分西峰(白木林)展望台に到着、あずまやの中で30分昼食と最後のトイレタイム。早速日本から持ってきたコーヒーを入れサンドイッチを食べたが、期待通りにならず、台湾味(香辛料)でした。

 13時出発、この辺りから玉山方向に展望が開けてくる。狭い台湾に3000m越えの山脈が連なり、日本アルプスより山脈は高い。気が付けば、登山口辺りは小さな玉山竹も大きな笹原になっていた。常緑樹が多くここでは紅葉が観られず、明らかに日本の秋とは違う!(緑と岩肌が主でした。)

 3000m超えると登りもスローになり急な登りはなおさらスローになる。小休憩を23回とり、1546分排雲山荘に到着した。チェックインの前に玉山ビューポイントまで登ってみる。

玉山主峰や玉山北峰などみえ明日はあの高さまで行くのだなあ〜と確認し小屋まで降りた。

 1611分チェックイン17時の夕食まで自由時間となる。ベットメイキングしていた窓から西の山々が夕陽で赤く染まって見えた。夕食も明日に備え頑張って食べ、その後早めに寝袋に入ったもののなかなか眠れず、星空ウオッチングに外に出てみた。玄関前のテラスから夜空を見たら星が大きく見え、空気が冷たく静かな真夜中の様に感じた。明日の登頂を祈り寒くなる前に寝袋に入った。

 明日は山頂アタック!2時起床です。

4日目  1113日 ()               (記録 M.OKAWA)

排雲山荘圓峰(南峰)分岐風口分岐玉山山頂圓峰(南峰)分岐排雲山荘西峰(白木林)展望台モンロー亭タタカ鞍部

3:00 排雲山荘出発 午前2時起床、230分朝食。体調不良を訴える人もなく全員元気な様子。テルモスにお湯を注ぎ、寒くないように厚着をして山荘を出発した。先頭は男性ガイドの林さん、最後尾は女性ガイドの王さんがついてくれた。月明りとヘッドランプを頼りに足元に注意を払いゆっくりと歩く。気温は6℃で山頂は4℃位とのこと。思ったほど寒さは感じず、15分位進んだところで衣服調整をした。

3:403:50 圓峰分岐 この先で森林限界となり、ジグザグの道を進む。最初は歩きやすいが、徐々に岩場になっていく。山頂まで800mの道標のところで休憩をとる。呼吸を整え、気を引き締めながら一歩一歩登る。

5:00 風口分岐 落石よけのロックシェッドから、分岐を玉山主峰方面へ進む。ここにストックを置いて山頂を目指す地元の人が多いらしい。危険な箇所は手を支えに使う方が良さそうだ。肌寒く感じて上着を着る。高山病にならない様にゆっくりと登る。入山者は、一日約100人に規制されているので、富士山のように混雑することはなかった。

5:40 玉山山頂着 3952mと明記された石碑が立つ玉山山頂に到着。すでにご来光が神々しい光を放ち東の空をオレンジ色に染めていた。記念撮影をしたいが大勢の登山客が次々シャッターを切るため、なかなか順番が回ってこない。ようやく、新調した青森労山の緑色の旗を広げて撮る事ができた。

6:20 下山開始 大展望を満喫した後、往路と同じ風口のロックシェッドを下る。周りはすっかり明るくなり、幾重にも重なる遠くの山並みや、目の前の山肌がよく見えた。昨日に続き今日もお天気に恵まれそうで安心する。感動で何度も振り返っては山頂を見上げた。岩場は登りの時以上に慎重に下る。

7:458:40 排雲山荘 朝食は麺類のみでちょっと寂しかった。山荘から借りたシュラフを返却、ポーターさんに預ける荷物(2.5s)と背負う分を整理し下山準備をする。

1020~1030 西峰(白木林)展望台 展望台は混雑していたが、ここから玉山の主峰を見ることができた。よく整備された登山道をひたすら下る。日差しが強く、こまめに水分補給もする。ここからしばらく、樹林の中を歩くのでほっとする。

12:0012:15 モンロー亭 小さな東屋がある。ベンチで小休止。この先でこれから排雲山荘に向かう、アルパインツアーの団体とすれ違い、言葉を交わす。また、昨日と同じ場所でヒヨドリバナの花に群がる「アサギマダラ」の蝶にも出会う。飛んでいる姿をカメラにおさめようとするも、なかなか羽を開いてはくれない。この蝶は、秋に日本本土から台湾に渡り、そして初夏になると反対に日本に飛来してくるそうだ。

12:50 タタカ鞍部 タタカ鞍部からワゴン車で上東捕の専用車の待つ場所に向かう。ここでお世話になった2人の登山ガイドとはお別れする。昼食後、再びバスに乗り込んだ。窓から玉山の雄姿を眺めることができた。南国らしく、ドラゴンフルーツやグァバ等の畑が広がる道を走り抜け、約3時間程で台中市のホテルに到着。7時より夕食。メニューは、エビの唐揚げ、あんかけチャーハン、豚の角煮等どれも滞在中で一番美味しかった。ここでリーダーより中華民國山岳会から発行された、玉山登頂證明書が一人一人に手渡された。思いがけないことでとても感激して、お酒もすすんだ。

5日目 1114日 ()                    

6:30台北(桃園)空港に向けて出発。朝食は、バスの中で済ませた。空港到着後、搭乗手続きをして10:40発のエバー航空にて帰国の途へ。予定より早い時間に着くとアナウンスあったが、青森空港のコンディションが悪く15:15時間通りに到着。空港発15:45のバスで帰路に就く。車中の温度は2℃。南国の台湾から一気に初冬の青森に無事、 帰りました。