仙人岱        2020年12月13日                 T.KIMURA撮影
















訓練山行報告

20201214日提出 (提出者 M.MATSUSHITA)

 

山  名:北八甲田(仙人岱1320m)

山行目的:歩行訓練・ルートファインディング

山 行 日:12月13日(日)曇りのち雪

コ ー ス:横内パーキング7:30→酸ケ湯公共駐車場、登山口8:35→地獄湯ノ沢→仙人岱ヒュッテ11:00(昼食休憩)11:50→地獄湯ノ沢→登山口、酸ケ湯公共駐車場13:45

参 加 者CL:K.TSUSHIMA SL:N.YOKOTA SL:S.HAMADA    他13名    (以上、計16名)

 

山行記録

 地獄湯ノ沢から吹き上げ、叩きつける雪と突風、強風。体ごと煽られ、あるはずのルートのトレースは見当たらない。否、吹き荒れる風雪でかき消されたのだ。映画八甲田山のロケはさもありなん―と思い起こした。冬の八甲田を垣間見る、訓練山行に打ってつけの機会となった。

 横内パーキングから4台のクルマに分乗、酸ケ湯に向かう。曇り空がみぞれから雪に変わり、路面も次第に凍結してきた。酸ケ湯温泉上の駐車場は半分ほど除雪してあり、現地集合者と合流。スノーシューに履き替え、総勢16名が登山口の鳥居をくぐった。

積雪は暖冬の昨年より、さらに少ないということで、夏道をたどることに。笹のヤブこぎがない代わり、夏道なら背丈を越すはずのダケカンバやアオモリトドマツなどの枝が登山道にせり出し、容赦なく顔や体に当たる。湯ノ沢の手前の片斜面では枝が覆いかぶさり、TSUSHIMA CLの指示で膝をついて、さながら匍匐(ほふく)前進の行列となった。

 予定の11時、仙人岱ヒュッテに到着。たまたま先行し、輪カン装着の弘前労山メンバーが「暖めておいたよ」と言う通り、小屋には石油ストーブが2台赤々と。TSUSHIMA CLが「休憩したら小岳か大岳へ」「どっちに登る?」と、みんなを“挑発”するが、応じる手は上がらずじまい。そのうち誰彼となく「休憩取るぞ」「お昼だ」と声が上がり、さっそく暖を取りながら、それぞれ用意の弁当やカップラーメンなどを広げて昼食となった。

 この間、小屋の外は風も雪も強まる一方だった。ゴーグルとフードで防寒に身を固めた姿の全体写真撮影も早々に下山の途に就いたが、ここからが「冬山の恐さ」を知る文字通りの訓練山行に。避難小屋と湿原の分岐に立つ大きなポールが霞んでいる。小屋に先ほど入ってきた若者二人組のトレースは見当たらない。ハイマツなどの根穴にスノーシューの足が取られ転倒する場面が何度も。ルート探しでは、CLが雪原の要所に立てて置いた赤布の旗竿が目印となり、威力を発揮した。

 解散式ではTSUSHIMA CLが「これが冬の八甲田」「頼りはコンパスと地図」「ゴーグルを凍らせて使えなくなった」などと事前の備えの大切さを話し、締めくくった。今回の山行ではスノーシューのベルトが切れてしまったり、当日朝に気象予報のチェックを忘れたり、コンパスを手元に置かず使えなかったり…と、ひとつ間違えば大事になりかねないケースが多々あった。かく言う私も記録用の鉛筆を持ち忘れ、インキが凍って役立たずのボールペンで難儀した。いくつになっても学べるものだ。 (以上)