仙人岱  訓練       2021年12月19日(日)              S.OKAZAKI撮影















訓練山行⑪「仙人岱・大岳」報告
                                                      2021年12月21日提出 (提出者 M.MATUSHITA)

山 名:八甲田大岳(1585㍍)

山行目的:雪上歩行・ラッセル訓練

ルート(計画):酸ヶ湯⇔仙人岱(⇔大岳または小岳)

山行日2021年12月19日(日)雪

参加者CL:K.TUSHIMA SL:S.NARITA、Y.HANADA   他13名 (計16名)

コースタイム:酸ヶ湯公共駐車場830(横内P730)→登山口845→地獄湯の沢(標高1210㍍付近)11201130(下山)→標高1050㍍付近1150(昼食休憩)1215→登山口1310

山行記録 

TUSHIMA CLが16日の準備会で「土日は大荒れの予報。山行実施しますか?」と注意を呼び掛けた通り、山行19日の朝は今冬初とも言える大雪が歓迎してくれた。

18日から大型の寒気団が襲来し、酸ヶ湯の積雪は19日午前8時127センチ。17日の70センチから二晩で60センチ近く増えた。気温も氷点下7.8度。KUBOさんは横内Pで分乗したとはいえ、青空の八戸からクルマで来ただけに「運転が大変でした」。

スノーシューに履き替えて、いざ出発。登山口の鳥居をくぐると、ヒザまで届く新雪が待っていた。ラッセルのトップを務めるTUSHIMA CLは「全員にやってもらいますよ」と気合を入れる。二人目、三人目とトップを代わって進むが、遅々としてはかどらない。登山口から400㍍ほどのところ、硫黄ガスが鼻をつく危険箇所まで2、30分もかかった。

 山行日が重なった弘前労山の一行とは以心伝心、ラッセルを交代して進む。いつもの通り、弘前労山は全員ワカンだ。雪山訓練の哲学だろうが、楽なスノーシューでも汗はかくし、足は重くなる。ワカンで通すのは、この新雪、深雪では泣きたいぐらいだろう。案の定、「青森さんの後を追う方が天国だ」の声も聞こえた。

一行16名が小休止を繰り返して進む。右下には雪面を一気に滑り落ちそうな沢が迫ってきた。スノーシューの山側左足に力を込め、踏ん張る。雪で倒れたブナの枝を左右の足を入れ替えながら慎重に進む。時計はもう11時近い。NARITA、HANADA SLから「この分では仙人岱に向かっても昼過ぎになる。下山の時間を考えないと」と声が掛かる。

ようやく地獄湯の沢だ。木橋は雪に隠れて見えない。沢を渡ってガレ場に着いたのが11時20分ごろ。このまま仙人岱に向かってもあと1時間かかりそう。並行する弘前労山などと同着なら避難小屋で食事どころか、中で休むことも難しい。下山時間を考えて、「撤退」となった。みんなも納得し、会旗を広げて記念写真を撮る。眼前にはラッセルしながら沢を登っていく弘前の一行や都内から来た女性4人組ら。何としても仙人岱までは行くのだろう。下山の途中、登山道沿いに一列に並んだまま、昼食休憩を取った。

 わずかひと月前、11月14日の訓練山行は雪こそないが強風、突風のため、大岳山頂まで進めず1450㍍付近で撤退。昨年12月13日の訓練山行も仙人岱避難小屋には着いたものの風と吹雪の視界困難で下山している。

 下山後、山上弘一さんは「冬山は青い空が広がると今日と違って別の世界になる。また来たい」。TUSHIMA CLは「それが見たいばかりに遠くからカネを掛けて来る人もいる。でもこれが現実」と締めくくった。八甲田の厳しさをあらためて教えられる山行だった。

(以上)