夏季遭対講習会       2022年5月29日(日)                M.MATUSHITA撮影
















夏季遭難対策講習会(青森県勤労者山岳連盟主催)            2022年5月31日提出(提出者 M.MATSUSHITA)

実施日:2022年5月29日(日)晴れ

場 所:田代平駐車場ほか

講 師:八ッ橋広光青森県勤労者山岳連盟理事(弘前労山)

参加者:青森労山9名  弘前労山10名、八戸労山2名、青森FHC1名=以上、計22名

報告

訓練は座学と実技の二本立て。昼食をはさみ午前9時から午後1時過ぎまで行った。

駐車場に車座になって行った座学は熱中症対策と登山中の急病対策。テキストは、講師が日本勤労者山岳連盟などで受けた講習や参考文献をもとにまとめており、わかりやすい。

熱中症の症状はめまい・湿疹(熱失神)、手足や腹筋のけいれん(熱けいれん)、めまい・腹痛・吐き気・倦怠感(熱疲労)。高温のため血管が拡張し血圧が低下したことや、水分や塩分が不足したことが原因。さらに症状が進むと水分も塩分も足りず、体温調節ができなくなり意識障害、錯乱、昏睡をきたす熱射病だ。甘く見てはいけない。

衣服着脱による体温調節と水分の摂取が対策となるが、登山前後に200400ml飲むと良いとのこと。携行する水の量は体重60㌔の人を例にすると、行程5時間なら1500ml、ペットボトル3本分になる。いつもの山行のとき、ザックに入れる目安にしたい。山行中は仲間の様子に目を配り、だれかが遅れ始めたら要注意。みんなで休みを取って水分補給に努めたい。

 実技は救急搬送とココヘリ捜索。スリング(テープ)1本あれば、人をひとり背負える。背負われる人の足腰が不安定ならザックを逆さにして腰、背当てにすることもできる。もう少し上等に搬送するなら、ツェルト(訓練ではブルーシート)を広げてマットに、広げたツェルトの両脇には束ねたストックをセット、さらにツエルトの要所にカラビナを留め具にしてスリングを巻きつけると、担架の出来上がり。山中で仲間が倒れたとき、手持ちのスリングやザック、ツェルトなどで搬送できるというわけだ。ただし、いざ本番のとき、日頃から訓練しておかないと、役に立たないことになる。

 ココヘリは電波が水分の影響を受けやすいとか、端末を手で覆ってはだめとか、特性を知ることが大切とのこと。雛岳登山口で行った探索訓練は、冬場にビーコンでずいぶん訓練実習しているためか、みんな戸惑うことなく操作していた。

 今回取り組んだ訓練は遭難、救急時の対策すべてではないだろうが、登山者として習得すべき知識、技術に間違いない。また、座学、実技ともに気取ることなく、わかりやすく指導してくれた講師に感謝したい。もっとたくさんの会員が参加し、習得すれば、青森労山の力量も上がると確信した。