11年県連雪崩講習会

2011年2月6日  CL H.NAKAMURA  他13名参加    記録 H.NAKAMURAY.TANAKA

コースタイム

 7:55横内P―8:35酸ヶ湯P9:20−10:25地獄湯ノ沢
講習会 10:45〜13:00(昼食12:00〜
12:20)
地獄湯ノ沢発13:20―酸ヶ湯P14:00
―14:40横内P




県連主催の冬期遭難対策講習会が、2007年におきた雪崩事故現場の地獄湯ノ沢で行われた。集合場所は酸ヶ湯Pだが、青森労山は横内Pに集合。参加者は14名、車3台に分乗してほぼ予定通り7:55出発。道路は連日の好天続きでアスファルトが見えている。雲谷の気温はー3.4を表示。遠くから北八甲田山の樹氷が確認できるほどすばらしい天候である。途中萱野高原でトイレタイムを取り、酸ヶ湯Pにむかう。酸ヶ湯Pには既に到着して準備にとりかかっている人もいた。今回の参加者は弘前労山9名、弘前HC3名、八戸労山4名と青森労山含めて総勢30名の参加。全員がそろうまでの間、清野講師からビーコンの装着の仕方の講習があった。捜索する時にはビーコンを左右に振りながらの捜索になるので、身体から離せるような装着の仕方が必要、また手袋をつけてまま操作できるように普段から練習しておくことが肝要とのことだった。全員そろったところで、それぞれにカンジキ、スノーシュー、スキーを装着し9:20に出発する。青森労山が先頭を切って歩を進めていく。トレースもしっかりついており、連日の好天で雪はしまりンジキがいらないほどである。まもなくスキー標識15番が見えてきたが頭上1m強くらいか。途中衣類調整しながら快調にすすみ、沢に入ったところでスキー標識45番を目印にさらに沢を登っていく。まもなく清野講師から、地図上でこのあたりが雪崩の事故現場らしいとの事から全員荷物をおろし休憩した後、講習の準備に入る。はじめに斜面の雪を掘り幅3m、深さ2m強くらいの壁をつくり、弱層テストを行う。雪の壁にカラーの水を吹きつけ雪質の違いを観察。数日寒暖の差が少なかったためか残念ながらあまり雪質の違いは観察できなかった。次に断層の観察。のこぎりで氷柱をつくりその上にショベルをおき数回たたいて振動を与える。徐々に断面が破断され雪崩の断層が確認できた。次にゾンデ棒を使っての感触の違いを勉強する。中村(秀)さん、菊池さんが犠牲(雪崩遭難者)となって雪穴にはいる。交替でゾンデ棒を使って、リュックザック、登山靴、身体にあたった場合のゾンデ棒の感触の違いを確認した。ゾンデ棒を容赦なくさされ、これは年とった肉だとか散々な事を言われながらも、ニコニコと耐えた中村さん、菊池さんお疲れ様でした。
お昼をはさんで、午後はビーコンの操作を勉強。人数が多いため2斑に分かれて行う。ビーコンを雪に埋めそれをさがしあてるのだが、中々難しい。出発時には発信モードにしておくが、捜索する時には受信モードに切り替えることが必要で、捜索する側が全員受信モードに切り替えないと遭難者の電波を正確に受信できない事を始めて知る。探し当てるまでの時間を記録しなかったのは記録者として反省。最後に清野講師から、このような雪崩の巣のような沢では絶対に休憩やこのようなのんびりした事をしないようにというしめの言葉があり一同どっと笑う。今回の講習会では、ゾンデ棒の感触の違いやビーコン操作など多くの事を勉強できたが、実践でどれだけのことが出来るか心もとない。このような講習会を継続して実施していただきたいと思った。